引間野に(ひくまのに )

にほふ榛原(にほふはりはら)

入り乱れ衣にほはせ( いりみだれころもにほはせ)

旅のしるしに( たびのしるしに)

意味:

引間野(豊川市御津町)で

美しく映えるハンノキ林に

入り乱れ、衣を美しく染めよ

旅のしるしに

作者:長忌寸意吉麻呂(ながのいみき おきまろ)

作者の姓(かばね)は長忌寸(ながのいみき)で持統天皇や有馬皇子の近くにいた宮廷歌人と思われ、万葉集中に14首の歌を作っている。有馬皇子の「むすび松」に対する鎮魂歌として次の2首の歌を作っている。

第2巻 143

磐代の 岸の松が枝 結びけむ 人は帰りて また見けむかも

いはしろの きしのまつがえ むすびけむ ひとはかへりて またみけむかも

磐代の 岸辺で松の枝を 結んだ 人は帰って また結ばれた松の枝をもう一度見るかも知れません

 

第2巻 144

磐代の 野中に立てる 結び松 心も解けず いにしへ思ほゆ

いはしろの のなかにたてる むすびまつ こころもとけず いにしへおもほゆ

磐代の 野原の中に立っている 枝を結んだ松よ こころも解けないで 昔のことを思うよ

ハンノキ:

ハンノキは公園などを中心に植樹されていて、冬になると写真のように、葉が出る前に花が付きます。写真で細長いのは雄花、丸いのは雌花になります。この花は1月から5月頃に花粉が飛散させ、人によって花粉症の症状が現れます。関東では、スギ花粉より終了時が遅いので、5月頃まで症状が続く場合には、ハンノキ・アレルギーの可能性もあります。特定の野菜や果物を食べたときに口内にアレルギー症状が出る人もいるようです。

ハンノキ